Tree FROG外伝① 痛みは、“脳が描いた物語”かもしれない

CSI（Central Sensitization Inventory）とは？

Tree FROGでは、こうした「脳の過敏さ」や「中枢の感作状態」を確認するために、CSI（Central Sensitization Inventory）という質問票を使うことがあります。

このCSIは、次のようなチェックリスト形式になっており、慢性的な痛みが“身体の損傷”だけで説明できないケースにおいて、重要な手がかりとなります：

たとえば、以下のような項目が含まれます：

• 頭痛や首のこり、肩こりが慢性的にある

• 光や音、匂いなどに敏感に反応してしまう

• 睡眠の質が悪く、朝から疲れている

• 痛みがある部位がしばしば変わる

• 体調が悪いと、気分も不安定になりやすい

• 医療機関では「異常なし」と言われたが、症状は続いている

このような項目に心当たりが多い場合、神経の“ブレーキ”がうまく効かなくなっている状態──つまり、感作された神経が、痛みや刺激に過敏に反応している状態かもしれません。

CSIのスコアは、いまの身体と脳の状態を知るための「見えない指標」として、Tree FROGでの施術方針を考えるうえでとても大切な情報になります。

読書と臨床がつながる瞬間

難しい本でしたが、読書と臨床がふと重なった瞬間でした。
……もちろん、すべてがぴったりつながるわけじゃないかもしれません。

でも、ときどきこうして、言葉と経験がそっと重なると、
「あぁ、自分はまだ学びの途中なんだな」と感じます。

慢性痛はただの「痛み」ではなく、脳が描く“物語”としての側面もある。

もしあなたが「慢性痛はもうどうにもならない」と感じているなら、もしかすると、その痛みは「脳の中の物語」なのかもしれません。

Tree FROGは、そんな物語を少しずつ書き換えていくお手伝いをしています。無理ゲーのような痛みと、あきらめず向き合っていきたい方へ。

※本記事は、書籍『ヒトの目、驚異の進化』（ハヤカワ文庫NF）に紹介されていた内容の一部を、筆者自身の理解をもとに再構成・抜粋したものです。医学的判断や全体の理論を包括的に解説するものではありません。